こんばんは ビルメン青村です。
ビルの外構には、多くのアップライトなど、外構の植物を照らす照明が多くありますが、それらは総じて絶縁が悪くなりがちです。特に土に埋め込んでいる照明なんて最悪ですね。大体が絶縁状態が絶望的です。
絶縁が悪いはずなのに?
そろそろ外構の照明の機器更新という事で、念のため該当の照明の絶縁状態を調べろというオーナーからの依頼がありました。
勉強という名目で、新人くんが実施することになりました。ちょっと心配でしたが、会社の研修で絶縁測定は何回もやっていますし、ちょくちょく現場でもやっているので実践は積めています。
その新人くんが無事絶縁測定を完了して帰ってくると首を傾げています。
「なんか絶縁状態が良いすよねぇ・・・」
え?そんなはずは・・・と思って絶縁値を書いた点検表を見てみると「100MΩ」と記載。うん、悪くない数字です。
ただ、あの場所はいっつも絶縁が悪く、100MΩなんて数字はまずあり得ません。外の機器の絶縁状態は、その日の天候などにも左右はされますが、100は出過ぎです。何かあるはず
実際に、再度絶縁状態を確認してみたら、普通に悪い数値である0.1MΩほどでした。ここで問題なのですが、なぜ新人くんが測定した時は絶縁状態が悪いはずの箇所が良くなったのでしょうか?
絶縁測定時には気をつけることがいくつかあります
絶縁測定のやりかたといえば、過去に書いた記事があります。

う〜ん、懐かしい。これを書いたのは2021年1月ごろなので3年前ですか(投稿日はなぜか知らないけど2023年表示。バグ?)今見てたら、コメントでリクエストいただいておりました。そのリクエスト内容の記事は今だに書けておりません・・・。すいません!いつか書きます!
と話を戻して、自分も今だに電気の事はちんぷんかんぷんで、自信のない事も多いので大した事は書けないのですが(ここで保険を打っておく)それでもいくつか絶縁測定時に気を付けることは最低限は理解しているつもりなのでここでいくつか書いておきます。全国の絶縁測定に対して苦手意識を持っている同士の参考になればと思います。
0チェックは必ずする
メガーを使用する前に、まず必ず0チェック(アースチェック)をします。線間測定をする際に、メガーのワニ口のクリップをアース端子などにつけますが、つけた後に「さ〜て測定するぞ〜」と言ってそのまま絶縁測定を開始するのはNGです。
まずはその状態で金属部分にプローブ(もう一つの棒みたいなやつ)に当ててメガーの測定ボタンをONにして、メガーの表示が0(きちんとアースが取れている)になる事を確認しましょう。
これでメガーの表示が0にならなかったら、アースが取れていないので、ワニ口クリップを別の場所に噛ませてあげ、もう一回0チェックです。これで0にならない限り絶縁測定をやっても意味はなく、絶縁が悪いのにメガー上は良い数字が出たりするなどの問題が発生します。
リモコンリレーがある場合は、測定はリモコンリレーで!
絶縁測定の鉄則は、なるべく機器に近い場所で測るという事。つまり、ブレーカーの先に端子があるなら端子で、リモコンリレーがある場合はリモコンリレーの二次側で測ります。

これは何故かというと、マグネットスイッチやリモコンリレーなどは、それ自体がOFFになっていると、もちろん回路もOFFになります。そうなった場合、ブレーカーでいくら絶縁を測ろうとも、測れるのはブレーカーからマグネットスイッチの間だけとなり、肝心の機器までは届いていません。
ブレーカーで測る!という意識が強いとうっかり忘れてしまう事項なので注意です。僕もたまにリモコンリレーの存在を忘れてやらかします。ちなみにリモコンリレーがONになっていればOFFにしたブレーカーで測定してもOKです。ただ、ブレーカーからリモコンリレーの間の絶縁も拾うので、出来るならリレーで測った方がいいかも。
あと、注意点なのですが、ブレーカーON状態の時にリモコンリレーがOFFになっている時は、そのままリモコンリレーの二次側で絶縁測定が可能ですが、リレーが入って急にONになる可能性があるのでブレーカーもOFFにしときましょう。
メガーの種類によっては注意が必要!
メガーには「アナログ」と「デジタル」の2タイプがあります。どっちが見やすいかは人それぞれなのですが、僕はアナログタイプの方が、パッと見わかりやすいので好きですね。デジタルは細かい数字まで表示してくれるのですが、絶縁が悪い時に「あ〜これは0.1MΩか?それとも0.09MΩか??」なんて悩まないし、そんな細かい数字は必要ないのでアナログがおすすめですね。
実は今回の新人くんの絶縁測定は、デジタルタイプのメガーを使用して、表示が「.100」と表示されたので100MΩと勘違いしてしまったそうです。実際は「.」が1の前についているので「0.1MΩ」だったわけです。このミス結構ありがちみたいなので、視覚的にわかりやすいアナログは初心者ほどおすすめだと思います。(最悪、メガーのハリが動かない=良好!って覚え方でもいける)
絶縁測定はビルメンにとって案外鬼門!
そういうわけで、結局は外構の照明は絶縁状態が絶望的だったわけです。
しかし、ビルメンにとって絶縁測定は苦手な人、得意な人が分かれる内容だと思います。まず、現場によってはまったくメガーを触らない、触ったことがない!というところもあれば、電気工事士なみに触っている現場もあるなど、かなりまちまちです。僕の現場に異動してきた人も「いやぁ、今までメガーなんて碌に触ってきませんでしたよ」という人もいれば「メガー?あんなの誰でも使えるでしょ(笑)」という人など様々です。
そもそも電気関係は、実践を積まないと「?」な事が多く、こればっかりは配属された現場による気がします。そこら辺は新しい現場で「そんなのも知らないの?」と言われても「サーセン」で十分だと思います(笑)。実践積める現場で実践していけば否応でも覚えるので、そこで覚えれば十分だと思います。
ただ、中途半端にメガーを触る機会がある現場は、毎回忘れないように覚えておく必要があるので、せめて上記の内容+必ずブレーカーは切って、通電していない状態の箇所を測る!という事を守っておけばなんとかなると思います。あと、測定時のレンジですが、とりあえず最低の125Vで良いと思います。「正しい値が測れない!!」と言われますが、絶縁が悪い時はどのレンジでも悪い数字が出るし、ポカした時のリスクが少ない。最初はそんな感じで実践を積んでいけばいいと思います。