こんばんは 青村です。
2月の終わりから今日にかけて、僕のビルでは消防設備点検を実施しておりました。




消防設備点検は年に2回あり、1つは機器点検でもう1つは総合点検です。僕のビルでは2〜3月実施の点検は総合点検なので、今回は総合点検です。業者は機器か総合かでボリュームが変わってくるんでしょうけれども、僕ら立会人はそんなに負担は変わりません。ほとんど業者にお任せですね。
テナント改装工事後は怖いよ
基本的に業者にお任せ状態な消防設備点検ですが、指摘事項があるとオーナーに報告書を書いたりする必要があり、途端に面倒になります。
報告書は業者も書いてくれるのですが、とにかくおっそい。2〜3ヶ月ぐらい平気でかかります。なので、先行して報告書を僕らが書いてオーナーに報告します。あくまで業者の報告書は僕らの報告書の「証拠」みたいな存在なのです。「本当にそれを是正しないとダメなの?」「はい!業者もこういう見解です(業者の報告書をスッ)」「そうか・・・」という感じで、オーナーが是正に対して渋っている時に有効です。
僕らとしては報告書を書く手間や面倒くささを考えれば「指摘事項なし!終了!」という形が一番ベストで楽なのですが、なかなかそうはいきません、何かしら指摘事項はあがります。ただ、ほとんどが排煙口の不具合など、機械の交換で済むものがほとんどで、テナント内の点検で指摘事項が出ることはほとんどありません。とある状況の後を除いては・・・
そのとある状況とは、テナントの改修工事後です。
テナントの改修工事後は、指摘事項に引っかかる可能性がかなり高くなります。何もしていないテナントが指摘事項言われる率5ぐらいだとすると、300ぐらい跳ね上がるイメージがあります。
そして今回は3つのテナントが直近で改装工事を実施。おめでとうございます、報告書作成不可避です。
指摘1:スプリンクラーの設置位置がおかしい

スプリンクラーは水平方向に30㎝以内には障害物がない様にするのが決まりなのですが、テナント内に間仕切りや壁が作られたりしてると、スプリンクラーから壁までの距離が20㎝ぐらいであとちょっと足りず、ありゃりゃ・・・ってなってる事があります。
今回はさらにスプリンクラーを設置していた天井が在来に変わっていたため、もう一回穴を開けてスプリンクラーを移設する必要があります。今スプリンクラー用に空いている穴は塞がなくちゃいけないしで結構大変な工事です。こういう時、簡単に穴あけたり取り外しが出来るシステム天井は便利だよなぁ
指摘2:消火器がすごい位置にある
消火器は、歩行距離20メートル以内に無いといけないのですが、これまた工事で移動させた後に戻し忘れたのか、それとも意図的なのか、とんでもない場所に置かれていたりします。とあるテナントではダンボールの中に隠されていたり、1箇所に大集合していたりしていました。

床置きの消火器ってみんな嫌がるよね・・・、でも安全のためにわかりやすいところに置いといてください。
指摘3:シャッターの真下に物あり
防火シャッターの真下には、物を置いてはいけないのですが、観葉植物やテーブル、さらにはキャビネットが設置されている時があります。ただ、改修工事後はシャッター真下に無造作に置かれているのを見るに、工事後に「これいつ捨てる?」「う〜ん、とりあえずそこに置いとくべ〜」みたいな感じで置かれた雰囲気なのです。

観葉植物ぐらいなら点検時にテナントの人に話して、退かす事で指摘を免れられるのですが、でっけぇテーブル(しかもそういうテーブルに限って上に物が大量に乗ってる)やキャビネットは簡単には退かせられないので後日是正してもらった後に再度点検をする羽目になります。
指摘4:おしゃれ空間演出が散水障害に
アート的な仕事をしているテナントフロアだと、色々テナント内でもオシャレになるように工夫が凝らされている時がありますが、さすがに天井に布を掛けるのはやめていただきたい。

どうやら「空」をイメージしている様ですが、スプリンクラーの散水が「雨」としたら、まったく雨が降らない乾燥地帯になるわけです。狙ってやっているのであれば大した物です。
もちろん布は耐火性能などはありません。火がついたら一瞬でキャンプファイアーです。
テナント内はどうなっているかは正直わからない
そんな感じで、今回はなかなかのボリュームの指摘を喰らって消防設備点検が終わりました。
しかし、テナントの中はこういった点検時に入らない限り、どういった問題があるのかわからないので恐ろしいところです。消火器の位置とか、散水障害箇所、シャッターの降下障害物設置などは、テナントが何とでもできてしまいますからね。消火器なんて「ここに置いとくと躓くかもしれないから倉庫に置いておこう!」って感じで移動されていたらそれだけでアウトです。
そういうのを管理するのが防火管理者なのですが、テナントによってはあまり機能していない事も多く、「いやぁ、言っても聞かないんですよねぇ」と言われてしまう事も。まぁ、消防みたいに「いざ」という時に役立つ事って、平時は安易に考えられがちですよね。僕も、前の職場のオフィスでは足元のヘルメットは邪魔だからロッカーに入れていた覚えがあります。
管理側と使用側の空気感・・・難しいですよねぇ・・・。