「このコンセントで電子レンジ使って大丈夫?」と言われた時に確認する事項

こんばんは 青村です。

今回は、珍しく電気関係の話です(全然専門的な話ではありませんが・・・)。

防災センターにはたまに「電子レンジを置きたいが、ブレーカー的に大丈夫?」という質問がくる事があります。こういう質問をしてくれると、防災側としては正直ありがたく、中にはブレーカー容量を気にせず電子レンジを大量に1つのコンセントに取り付けて使用してブレーカーを飛ばし「停電した!!」と騒ぐテナントもいます。

事前にしっかり聞いてくるのは、そういうトラブルを回避出来るので将来的には防災側もメリットとなりますまぁ、調査をするとなると結構時間が掛かるので、面倒と言えば面倒なのですが・・・

負荷を確認する

一つのコンセントに対するブレーカーの容量は20Aですので電子レンジ1台ぐらいならOKっす!あ、でも他に何か繋がってると飛ぶ可能性があるので気をつけてほしいっす!」ガチャリ

・・・と、こんな感じで、終わらすことも出来るのですが、防災センターとしては一応ちゃんと大丈夫だという事がわかってから大丈夫と言いたいところですので、現地へ向かい調査をします。

僕の現場のテナントの子ブレーカーの容量は20Aのため、負荷先がいっぱいあるコンセントに電子レンジを繋ぐと、ブレーカーが落ちる可能性があるため、なるべく何も使用していないコンセントを使用するのが望ましいです。パソコンとかいっぱい繋がってるコンセントとかが急に落ちたら大変です。

ただ、正直言って、ブレーカーが飛ぶ原因になる要因は「電子レンジ」「ドライヤー」「アイロン」「ホットプレート」などのブレーカー落とし4銃士の同時使用によるものなので、どれか1つだけの使用でブレーカーが飛ぶような事は滅多に無い気がします(パソコンだけしか繋げてないのにブレーカーがトリップした!って聞いた事がありません)

しかし、それはそうでも負荷先を確認しないわけにはいきません。

まず負荷を確認するには、現場で直接そのコンセントに何が繋がっているかを確認するのが手っ取り早いです。テナントのTL盤の子ブレーカーを見ると、「OAコンセント」と名称が書いてあって、子ブレーカーに「171」といった感じで番号が振っております。これは「このブレーカーはOAコンセント用で回路番号は171だよ」という事を示しています。(古いビルだとそういうのは無いかもしれません)

テナントに設置してあるタップコンセントを見るとその番号のシールが貼ってあるはずです。また、テナントからもらえるコンセント図面を見れば「171番の回線のコンセントはこことここだよ」と記されているので、それを現地で探し、直接負荷を確認する事ができます。171番のコンセントタップが2箇所あれば、その2箇所は171番の子ブレーカーにつながっており、この2箇所で20Aを超えなければOKというわけです。

ただ、コンセントの図面は、古いテナントだと更新版が貰えてなかったりする可能性があるので、テナントに直接聞いて最新版を手に入れたほうが良いです。ただ僕のビルでは大抵「どこにあるのかわからない・・・」と返ってきます。

ちなみに、PACやプリンターとかの大量に電力を消費する機器は子ブレーカーはその機器単独用になっている事がほとんどなので、コンセントタップとPACが同じブレーカーということはまず無いでしょう。多分(他の現場を知らないので確証が持てない)。

念の為、電流値を測る

コンセント図面が当てにならない場合は、クランプで子ブレーカーの電流値を計測してみます。たとえば171番のブレーカーのコンセントが全て使われていないのを確認したのに、もしそれなりの電流値が出た場合、負荷が接続されている可能性があるという事です。

ちなみに、クランプで電流値を測る時は配線2本を挟むのはNGです。それだと、漏れ電流の測定になってしまいます。僕はたまにそれをやらかして「お、0やん!」ってなって「って2本挟んどるやん!」という流れをやらかす事があります。普段、電気関係をやらないと、こういう時にやらかすんですよネ・・・。電流値は1本挟みですのでご注意を・・・

床下のハーネスを確認する!

それでも負荷先に心配がある場合は、直接床下を確認します。たとえば171番のタップコンセントを辿ると、床の穴からそれが出ているので、床を剥がしてその先を確認します。テナントフロアは大体がOAフロアで床にアクセス出来るようになっています。

そうすると、床下にハーネスジョイントボックスがあります。ハーネスと聞くと、安全帯の事かな?って思いますが、電気関係でハーネスと言ったら、このハーネスジョイントボックスです。ややこしいですね

で、このハーネスがどこに繋がっているかを確認します。子ブレーカーから配線が伸びてハーネスに入ってそこで分岐してその先のコンセントタップを見て・・・という感じで先の負荷が何かを確認します。かなり泥臭い&手間が掛かる調査方法ですが、これが一番確実に負荷先が判明できます。

それで、負荷先が全然なく、電子レンジを設置しても問題ないと判明できれば、ようやくテナントにOKの返事が出来るわけです。こんな感じでやっているので、調査にはまぁまぁ時間がかかります。もっとスマートなやり方があるのかもしれませんが、僕はこんな感じでやってます。

あとちなみにですが、たとえば600Wの電子レンジだから20Aのブレーカーなら2台いけるだろ!と思って実際同時に動かした場合、瞬間的に20A超えてしまう事もあるので、600W=6Aみたいな計算だとちょっと危ないので2倍ぐらいの電流値は出ると想定したほうがいいです。あんまりギリギリを責めすぎると落ちます。「2台使っても大丈夫!?」と聞かれたらちょっと慎重になったほうがいいかもです。


そんな感じで、テナントから「電子レンジを置きたいんだけど・・・」という相談を受けた場合、防災側ではこんな事をやっています。

テナントからすると「電子レンジ1つでこんなに調査すんのかよ・・・」と思われるかもしれませんが、こっちとしては「使ってOKです!」と言ったのにブレーカーが飛んだら洒落になりません。なので、電気関係は確実に、確証が持てるまで調査をする必要があるのです。

以上が、テナントに「電子レンジ置いてもいい?」と聞かれた時の対応でした。