無限に鳴り出す感知器の「無応答」アラーム!どうやって停止させる?

こんばんは 青村です。

台風が近づくと、様々なトラブルが発生しますが、今回は台風の影響による高湿度が原因で発生する感知器のトラブルについて書いていきます。結構このトラブルに悩まされているビルメンも少なくは無いはずです。

突如鳴り出す火災受信盤!

防災センターで事務作業をしていると突然問題は発生しました。

ピーーーーー!!!!

異常が発生しました!!!現場を確認してください!!!!!(クソデカ音声)

火災受信盤から警報音が鳴り出しました。静寂な空間からいきなりクソデカ音声が流れると寿命が縮みます。「絶対に聞き逃しなんてさせないぞ!」という強い意志を火災受信盤から感じます。

警報音の内容は「○階△区□番 光電アナログ 無応答」というもの。その警報が出た数十秒後に「○階△区□番 光電アナログ 無応答回復」という表示が。

これはどういう事かというと、その区域に設置してある感知器に異常が発生したよという事です。感知器の異常と聞くと「火事??」と思うかもしれませんが、火事の場合は「蓄積中」と出るので、「無応答」という警報は感知器が何かおかしい状態になってるという事です。

まぁ、いくら火災が要因の警報では無いとわかってはいても、念の為その区域に火災が発生していないか見にいく必要はあります。これが地味に面倒なんだよなぁ

無応答とは何か

感知器と火災受信盤間でお互いに認識出来なくなった状態を意味しているそうです。「え?それってやばいじゃん!」って思うかもしれませんが、実はこれ、梅雨とか台風が接近している時とか、特に湿度が高い時によく起こる現象なんです。(湿気が篭りやすい地下とかこういうのがしょっちゅう出ます)そして、発報したと思ったら数秒で「回復」します。本当に一瞬の不具合なんですよね。

多分、湿気によって感知器の中の基盤になんらかの不具合が起きるんでしょう。あとは経年劣化しているところに湿気が止めを刺した可能性もあります。

だいたいこういう感知器は湿度が下がると自然に警報が出なくなります。しかし、一度こういう警報が出た感知器はまた湿度が高い日になると警報が頻発して出るようになるので、まぁ素直に交換した方が早いかもしれません。

ただ、感知器もタダでは無いし、交換したら「報告書」「新しい感知器の購入提案書」「感知器交換履歴表更新」など色々やらなくてはいけない事も追加されるので、湿度が下がれば警報が出ないし、普段使用するには何も問題ない感知器を簡単に交換するのは何となくシャクなので、なるべく交換しない方向で設備員は動きます(笑)

この状況をとりあえず収めるには・・・

1 感知器を取り外して乾かして再度取り付ける

原因の感知器を取り外して、エアダスターを吹いたり、ファンで乾かしたりすると復帰する事があります。

ただし、取り付けるのは湿度が下がった後の方がいいです。また取り付けても湿度が高かったら再度無応答が出る可能性が大です。その場合は感知器を取り外した箇所にマスクを掛ける必要があるのですが、これは後述に紹介します。

また、感知器を取り外すという事は、その箇所は火災が起きた際にノーガードになるので注意が必要です。本当は予備の中古感知器をつけておくのが一番なのでしょうが、そんなに都合よく中古で感知器があるとは限らないですし、感知器はそれぞれ個別でアドレスが振り分けてあるので、アドレス設定機を持ってないとそもそも取り付けられません。

2 該当の感知器にマスクを掛ける

上記のように感知器が取り外せるのであれば良いのですが、ビルあるあるで「あの感知器どうやって取るんだ!?」と叫んでしまうような箇所に取り付けてある感知器もたくさんあります。

10尺の脚立から梁に登り、さらにその上の配管を登って、感知器の着脱器を最大まで伸ばしても届かない場所とかもザラにあります。こんな高いところに感知器つけても、煙が上がって感知器が反応する頃にはこの部屋は炎に包まれ済みだろうな、意味あんのこれ・・・。

そういう事で、設備員では取り外せない感知器は、火災受信盤にて保守(マスク)を掛けて、警報が鳴らないようにします。一時凌ぎですがこれをしないと不具合が取り除かれるまで感知器の警報は鳴り続けます。

ただ、このマスクの掛け方なのですが、受信盤のメーカーによってやり方が違うようで、僕の現場では「今警報が出てる感知器しかマスクが掛けれない」というステキ仕様になっています。

つまりどういう事かというと

無応答が発報したら、即座に受信機の「遮断」を押すと、その感知器はマスクが掛けられます。これで警報音は出ません。

ただ、問題なのは他の感知器も不具合が発生した場合で、例えば事前に「A」の感知器をマスクしたとして、その後に「B」の感知器が警報が出た場合、受信機にて一旦すべてのマスク設定を解除しなければなりません。

そして、また「遮断」ボタンを押すのですが、こうした場合「A」の感知器は警報が出ていないので、マスクが掛けられるのは「B」だけです。つまりまた「A」の感知器に無応答が発生した場合、「A」はマスクが掛かっていないので、警報は鳴ります

つまり、「A」も「B」も「C」もマスクを掛けたかったら、同時に警報が発報した際に、同時に遮断を押さないといけません。警報は即時復旧(5秒ぐらい)するし、同タイミングで全ての感知器が警報が出るなんてほぼあり得ません。

ではどうするか・・・。それは感知器を取り外した状態にしてわざと「無応答」状態を作り出す事です。感知器を取り外せばその間は警報が残ります。これをA~C全てに行えば、同時に遮断をする事が可能です。

しかし「取り外せない感知器があるんだから困ってるんじゃないか!」という話なので、そこは、まず取り外せる感知器は外し、全てをマスク掛けします。そしてあとは取り外せない感知器の警報が鳴るのを待ちます。

受信盤の前で上の絵のように待機します。

待ち時間は早くて5分ぐらいだったりするし、遅い時は2時間後とかになったりします。流石にそこまでは待ちませんが、ある程度の時間は受信盤の前で待ちます。はたから見たら「いいね〜ビルメンはそんなんで時間が使えてw」と思われるかもしれません。

そして該当の感知器がなったら速攻でマスク掛けを解除!そして遮断!!(この間2秒)これで全部マスク掛けが成功!もう受信盤は鳴り響かなくなりました!

そんなわけなかった

・・・とまぁ、そんな感じで今までは対応していたのですが、今年は一味違いました。

いつもならば、だいたい2〜3箇所の感知器しか警報が出ないのですが、今年は5箇所ぐらいの感知器が時間差で次々と鳴ったのです

大体こんな感じで鳴るんすよねぇ・・・、しかも夜中に。夜中は湿度が高くなるからなのか知りませんが、感知器たちが「今や!」って感じで騒ぎ出します。なんでトラブルって夜に元気に発生するんだ・・・

警備さんには「とりあえず新しい警報が出たら連絡してください」と言っていたので、昨日の夜はめっちゃ起こされました。

一回起きるたびに、「現地を見る(意味ないけど)」→「感知器を外す(半分寝ぼけてるのに脚立を使用。危ない)」→「受信盤で警報が出るのを待ってマスク掛け」のステップを踏まないと行けないのはしんどかったですね。これを2時間おきぐらいでやってたので、ぶっちゃけ仮眠に入らない方が良かったのでは?と思うぐらいでした。ちょうどウトウトし始めた頃に警備さんから連絡が来るんです。これは地獄ですよ。

ちなみに、僕の現場は宿直者がもう1人いるので、相方にもこの地獄に一緒に落ちてもらおう手伝ってもらおうと連絡をしたのですが、携帯をマナーモードにしていたようで出ず

何やってんだ!

そういうわけで、昨日は大変でした。こんな感じで感知器に振り回されていたビルメンの方々もここ数日は多かったのではないでしょうか。また台風が発生しているとかでまだまだ大変な時期が続きますが、皆様頑張りましょう。

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 無応答がそこまで大量多発するって中継機側の不具合とかもありそうですよね

    うちの現場は外部のアドレス振られてない熱感知器で端末線断線が頻発することがよくあります ベース裏の圧着部が緑青まみれで断線しかかってて特定するのに難儀します笑

コメントする

CAPTCHA