問題箇所はどこだ？直接接地回路用低圧絶縁監視装置発報！

こんばんは　青村です。

今日出勤して、現場の日誌ノートを確認してみると（毎日、どこで何があり、どんな対応をしたかがExcelノートに書き込まれている。これを見ないと、休んだ日の現場の動きがまったくわからない）どうやら、昨日の朝に直接設置回路用低圧絶縁監視装置（僕の現場ではIGRと呼んでいます）が発報したとの事。

IGRは、簡単に言えば特定の回路の絶縁状態を監視してくれる装置で、一定以上の漏れ電流を感知すると警報が鳴り、絶縁不良を起こしている事を知らせてくれます。（ただし、IGRには遮断機能などは一切ありません、ただ警報を鳴らすだけです）

このIGRは、活線で絶縁状態を監視してくれるので便利な装置なのですが、残念ながら回路のどこが絶縁不良を起こしているかをピンポイントでは教えてくれないので、IGRの警報が鳴った際は、どの系統かを確認し、思い当たる箇所の盤に行って、クランプなりメガーなりで絶縁不良箇所を探さなくてはいけません。基本的にIGRはトランス盤に取り付けられているのですが、例えば【１６〜２６F（西側系統の電灯盤）】のIGRが鳴った場合、１６〜２６F（西側系統の電灯盤）全てを確認しなければならないのです。クランプを持って、各盤を調べている間に、絶縁状態が回復して何も、結局分からずじまいの時も結構あります。

で、そのIGRが鳴ったという事ですが、そのIGRの系統は地下系統。日誌では、「どの箇所が原因か判明出来なかった為、様子見とする」と書いてありました。

IGRが鳴ったタイミングは、昨日は9：00との事でしたが、この日誌を読んでいたのが9：10ぐらい。今日は警報が鳴っていません。昨日は鳴ったのに、今日は鳴ってないという事に違和感を感じ、とりあえず、地下系統のファンのスケジュールを確認してみると・・・

月・水・金のみ動く給気ファンがありました

しかも起動時間は9：00〜　いや、もうこれやん！答え出ました！

そういうわけで、IGRの数字を見る為、自分は電気室に行き、電話にて防災センターの人に頼んで該当の機器を動かしてもらうと・・・

IGRの数値がモリモリ動く！

IGRは絶縁状態を漏れ電流で見ます。最初は2mAぐらいだったのが、25mAぐらいに上がり、もうこの時点でこの危機が完全なクロになりました。しかし、昨日は70mA以上行ってしまい、警報が鳴りましたが、今日はそこまでは上がらなかったので警報は鳴らず。もしかしたら、普段もこれぐらい絶縁状態が悪かったのを見逃しており、昨日たまたま警報が鳴る数値まで行ったから気づけたのかもしれません。

しかし、警報が鳴らないにせよ、25mAが低いかといったら決してそうではなく、機器１つを動かしただけで25mAは完全にアウトです。その後、該当のファンのブレーカーでメガーをかけると、絶縁良好。ビル側の回路に問題は無し。お次にファン本体の絶縁測定をします。

もう古（いにしえ）のファンなので、端子部分にアクセスする蓋を開けたら埃が凄いの何の・・・。本当に「ブホ！！」って音がしましたからね。この埃のせいじゃないの？この問題は・・・

それで、ファン側の端子でメガーをかけると、あまり良くない数字が・・・。どうやらファンの経年劣化による絶縁不良が原因だったようです。

問題はここから

無事、絶縁不良箇所を判明する事が出来ました！オメデトウ！！・・・という話では終わりません。このビルに来て間もない時だったら「よく見つけたね！あっぱれ！」と褒められて僕の仕事は終了したかもしれませんが、もう４年目になる男にそんな言葉で終わるわけもなく

「じゃあ、このファンの交換の見積をよろしく。あ、でもこの点検口からじゃファン本体が取り外せないな・・・ちょっとその点検口新設についても業者との打ち合わせ&見積もよろしくね。あと、もちろんだけど、この件についての報告書もまとめておいてね」

し・・・仕事が増えたあああ！！

ビルメンって基本的に、「見つけた人＝色々やる人」となります。つまり、自主的に動いたら負け。まぁ、手をつけた時点で何となく察していましたが・・・。

というか、なんだよ！この点検口は！！すっげ〜小さくて、とてもファンを下ろせるサイズじゃありません。ま〜たお得意の何も考えてないで取り付けをやりやがったな！！機器を降ろせるぐらいのサイズで作っといてよ！

というか、このIGRの警報が出た日に、ベテランのMさんが出勤していたのですが、多分このファンが悪い事知ってたと思う。

Mさんレベルだったら、今日の時点で「昨日は警報出て、今日は出ない・・・妙だな」ってピーンとなっていたはず！そういえば、僕が原因調査するために防災センターを出て行く際にMさんに「お〜、手ェ付けちゃう？(笑)」と言われましたが・・・クソ！やられた！！