リフターは見ている方も怖い！&排煙口修理の行方

以前、消防点検で壊れてほしくない箇所の排煙口が壊れた（正確には復旧不良）という話をしました。

これを直さないといけないのですが、現場で一番高い場所にあり、かなり厄介な案件。

簡単に「交換しよう！」というわけにはいきません。まず業者に、本当に作業ができるかどうかを確かめてもらってから話を進める案件となります。こういう特殊な箇所の作業は、業者の現調が必須で、ビルメンが「まぁ出来るっしょ！」と勝手に話を進めると、後々大変なことになります。とにかく、こういう作業は業者の判断が必ず必要です。

というわけで、今日はいつも排煙口の開閉器を交換してくれる業者が現調にきました。

素人が準備するリフターに乗り込む業者

リフターは現場で管理しているもので、今回は業者は現調という名目で来ているので、リフターの準備は我々現場員がします。

上の記事でも書いてますが、リフターの何が怖いって「素人が準備したリフターを使用する事」なんですよね。僕の現場のリフターは４本の足を調整をしてバランスを取るのですが、これがまた難しい・・・

リフターのバランス感知制度もそこまで良く無く、明らかに傾いているのに「バランス取れてます！」みたいなマークが出てくるのでアテになりません。

数人でこの作業をするのですが、みんな「これでいいのかしら？」と疑心暗鬼になりながら作業をします。さっきまで緩かった足が、片方を締め付ける事で急に強くなったり、逆に強く締め付けられていた足が急に弱くなったりと、「なんでそんな感じになるの？」ということもチラホラ

毎回こんな感じで組み立てるのですが、こうして組み立てたリフターに乗り込むのはめっちゃ勇気が入ります。確実に大丈夫な保証はありませんからね。

「リフターは思ったより揺れるけど、大丈夫だよ〜」と言われても、それはプロが組み立てたリフターがそうであって、素人が組み立てたリフターは「思ったより揺れているのは実はバランスが取れていなかったから」なんていう事も十分あり得ます。

・・・で、そんな素人が組み立てたリフターに、今回は業者が乗り込むのですが、その業者は恐怖が無いのか、僕らの組み立てを信用しているのか、それとも頭のネジがぶっ飛んでいるのか、何の抵抗もなく一番上まで上がってしまいました。これ乗ってみるとわかるのですが、ノンストップで上まで上がるのって相当勇気入ります。本当に、下で見てる以上に怖いのよこれ。

しかも、排煙口を確認するために業者は、カゴ内で移動をするのですが、それが揺れる事、揺れる事

やめてぇ〜〜〜！！！

見てるこっちがハラハラします。これってリフターがぶっ倒れたら、セッティングしたうちらの責任？

下から見ると、リフターが大きく揺れており、今すぐにでも「降りて！」と言いたいぐらい。ついにNさんが「〇〇さん！もう良いから！もう降りて！！」と言ってしまいました。

しかし業者は「う〜ん、もうちょっと身を乗り出せば届くかぁ〜？」（さらに揺れる）

い・・・イカれてるぜ！

そして、最悪の結論

ようやくハラハラする調査が終わりました。結局30分近く僕らの心配をよそに、元気よくリフターを揺らしながら業者は色々と確認作業をしていました。下で見ていた僕たちの寿命は5年縮まりました。本当にありがとうございます。

そして結論が出ました

リフターで交換作業は無理

実は、該当の排煙口の真下にリフターが置けず、ちょっと離れた場所に置いています。つまり、リフターのカゴから排煙口まで若干の距離があるわけです。

なぜ、離れた場所に置いているのかというと、排煙口のちょうど真下には、そのビルの邪魔なモニュメント（移動不可）があるのです。業者曰く、普通だったら排煙口の開閉器交換とかも考えれば、真下に移動不可のモニュメントを置くのはあり得ないんすけどね・・・と言っていました。

つまり、排煙口の真下に移動不可のモニュメントがあるから、リフター作業は不可という事です。

ま〜〜〜た設計がやってくれたよ

ビルメンをやればやるほど、設計が嫌いになってきます。設計はオシャレに、快適にビルを設計しますが、メンテナンスとかの事は全然配慮してくれてないのが見え見えなんですよね・・・。「メンテナンス？知らん知らん！」みたいな作りが多い事、多い事・・・。

リフターが使えないとなると、最終的には足場を作っての作業になりますが、う〜ん、これはいい金額になりますね・・・。多分、オーナーからOKが出ないと思います。そういう時は、業者にウンと金額を頑張ってもらうか、うちら現場員の儲け分を減らすかしかありません。まぁ、現場員はただ見てるだけで特に何もしないから、うちらの儲けを減らす事になるのかな・・・でも、それをすると今度は会社の方からネチネチ言われるし・・・。

ちゃんと、開閉器交換まで視野に入れて設計してくれてたら、こんな事にならなかったんですけどね。最後は完全に設計への愚痴になりましたが、そんな感じで今日の調査は終了しました。これを月曜日に所長に報告するのは、ちょっと憂鬱ですねェ・・・